「気づいていたか」

「親父はまだ俺を一人前とは認めていない。まったく余計な助け船を出してくれたものだ」

 ハバキは苦笑いすると、安日はほっとしたような顔をした。
 こうして会って語らうのは八年ぶりだった。それまではたがいに親に連れられて、大人が館で話し合っているあいだ外で遊んだり、時にはつかみ合いの喧嘩もしたりしていたのだが、長ずるにつれて、しだいにそれもなくなっていた。