だが、ハバキはこれ以上、説教にも酔いにも身を委ねるような気分ではなかった。

「酔い申した。風にあたってまいりまする」

 ハバキが立ち上がると、何故か安日姫も立ち上がった。

「お嫌でなければおとも致します」

「かまわぬが」

 ハバキは長たちのはやしたてる声を無視して、悠然と表へ出た。