安日がさらりとこたえると、佐古田がほうと、身を乗り出した。

「地の利からいえば、ナミハヤ国、カワチあたりか。しかし今回の戦さでも兵を出すことに応じなかった国がやすやすと我らと手を結んでくれようか」

「それは我らの力をはかっていたのでありましょう。こたびのハバキさまのお働きによって、彼奴(きゃつ)らにも我らがただの寄せ集めではないことがわかったはず」