(こういう強面の女は苦手だ)

 とハバキはこっそり思っていた。それが顔に出たのか、八束が揶揄するように云った。

「若長どのは妻問いはされぬのか。わしがそなたの年頃にはもう三人の妻に子を産ませておったぞ」

「戦さゆえ、それどころではありませぬ」

 ややむっつりと、ハバキはこたえた。