ほっと、一座の緊張がほどけ、そのあとは旧交を温めあう内々の祝宴となった。
 ハバキはすぐにも取って返したいところだったが、年長者をさしおいて早々に立ち上がるわけにもいかず、運ばれてきた酒で一人黙々と飲んでいた。
 安日も父の病を理由に帰るかと思われたがその場に残っていた。酒も強いのか、いくら飲んでもいっこうに顔色が変わる様子がない。