「たしかに姫夜というカンナギは、まだ齢(よわい)十四。あまたの戦いを経て女王となったモモソヒメと比べれば、頼りないと思われるのも無理はない。しかし過日、わしはこの目でみたのだ。あのカンナギにカツラギの姫神が降りたもうたのを」

 病人とは思えぬ大音声だった。姫神ということばに、みなぞくりとしたように身を震わせ、そっと目をふせた。