好き…だけどつらいよ…



「早く帰るぞー」

「ふぁーい…」

────────────


わたしたちは門を出て並んで歩く。




そういえばわたし…

男の子と一緒に帰るの
山里くんに拒否られて以来なかった…


だからかな?

少し緊張してるの。。。


「弥生?どしたー?」

わたしの異変に気付いたのか
恭介くんが下から覗くように見てきた


「んっ、大丈夫!!」

「…顔赤くねーか?」

え!うそ、!!

「ふはっ 百面相」

~~っ
バカにされたぁ!



恭介くんはわたしにあわせて
ゆっくり歩いてくれる。

「あ、ねぇわたしって
歩くの遅い?」

「ん?んなことねんじゃね?
ゆっくりのが楽だし」

なら…よかった。



チリンチリン

「お、こっち」

「キャ!?」

そういっていきなりわたしの
肩に腕を回して引き寄せた。


「チャリ。引かれるから
こっちこいて」

「あ、、ありがと…」




…わたし……


なんで恭介くんのこと
好きにならなかったのかな…?


こんなに優しいのに……


「あのさ…弥生、

そんなうるうるした瞳(め)で
見ないで…///」


へ、??



「…我慢できなくなるよ?」

っっ!?///

「ご、ごめんなさいっ///」

急に恥ずかしくなって下を向く。











「花園っ!!」






え……?







な……んで?


「廉」

わたしを呼ぶ声に振り向いた
恭介くんがつぶやく…


「っ…はぁ」

…なんでそんな汗かいてるの?

…なんでそんなに、、息があれてるの?

…なんで……


そんなに悲しそうで苦しそうな
かおで……みてくるの?



「花園…こっちきてよ…」


っ…


「弥生?」





恭介くんが心配そうに
わたしを見つめる。


「…いこ」

恭介くんの肩にぶらさがる
かばんをつかんで山里くんに背を向ける


「花園!」


…もう忘れる。



なんで貝塚さんといないの?




「弥生、いいのか?」

「…いいの」


早足で…

山里くんから離れる。



「っ…花園!!」





~~~っ!!!


「なんなの!?いまさら…

いまさらわたしのとこに来ないでよ!

…なんの用がある、の??
貝塚さんといればいいじゃん!!

わたしとの時間なんて…
なくてもいいんでしょ?

もぅ…いいよ。
疲れた。」

「花、園?」



















「別れよ…」





そう言いはなったわたしの目は

山里くんを睨み付ける…

涙をうかべながら。



「っ、は…?

なに、いってんだよ?」
「別れよ…て、
もともと付き合ってたって
言わないよね…あんなの」


「花園…!
「もう話すことない…ごめんね…」



それだけ言いきって
わたしはもう一度、
山里くんに背を向けて…

走りだした。














「ふ…っ…、!」



ひたすら…

無我夢中で走る。






どうして…


どうして、、、


あんなこといっちゃったんだろう…




これでもう…終わっちゃった…。



ほんとは、、

そんなことが言いたかったんじゃない。



ただ……

ただ…かまってほしかったんだ。





でももう伝えられない…。



「っ山、里くんっ……」


走りつかれて

いつのまにか来ていた公園に
泣き崩れた…


「なんで…なんでぇ!?

っう…ああああーーー─────」


とめどなく涙があふれでる。

「っや、よい!」




泣き腫らした表情(かお)で
ふりかえる…と

「わ…かな?」



そうつぶやいた瞬間に
抱きつかれた。


「っ弥生!!弥生…」

「え、、若菜…?」


なに?なんで…若菜がここに?



「大丈夫…?っ…えとね…、
さっき…部活の帰りに歩いてたら…
湧井くんと、山里くんがいて…
なんかおかしい、とおもって…、
そしたら湧井くんに
弥生がこっちに走ってったって
きいて…」


……。

「…なんかあったの?」

「あ…」



っ…どうしよう…
話すと…涙がでてきちゃう…


「弥生。話しなよ。余計つらいだけだよ?」

「っ、わかっ…なぁーー!」



それからわたしは
泣きながらも少しずつ

若菜にさっきのこと、
そしてわたしの思ってることを伝えた。