「だから、里麻はずるいんだよ」

「――え?」

「私ね、ずっと思ってた。里麻は自分ばっかり悪いとか言って……! 本当は辛いくせに」



私の言葉に、里麻は少しひるんだ。


教室の中に、生ぬるい空気が充満する。



「里麻、伊月のこと本当に好きだったの?」

「何言って――」

「本当は海くんのこと大好きだったんでしょ!?」



だんだん自分の声が大きくなっている。


目の前にいる里麻は、真剣な目つきで私を見つめていた。