好きって愛してるって…言って欲しいよ



手術中というランプが消え、


扉が開き、マリンが担架にのって出てきた。


俺はすぐさま医者に駆け寄った。


「マリンは?なにも?、、手術は成功したんですか!?」


「命に別状はありません。数時間たてば目を覚ますでしょう」


この言葉を聞いて俺は心のそこからホッとした。


たぶん、俺以外にもここにいるマリンの両親やも俺と同じだと思う。


マリンが目を覚ましたら謝ろう。


そして愛してるってちゃんと伝えよう。


許してくれるかわからないけどちゃんとつたえよう。


そう考えていた俺の視界にマリンの両親の姿が写った。


マリンの母親はマリンの父親に抱きついて泣いている。


マリンの父親は、涙ぐみながらもマリンの母親の頭をなでている。


、、俺がしたことで、マリンの両親までにも悲しませてしまった。


マリンに謝る前にマリンの両親に謝ろう。


そう思い、俺はマリンの両親に近づいた。


「マリンのお母さんとお父さんですよね?」

「あぁ、そうだよ」


「俺、マリンの彼氏の蓬です。

今回の事故は、俺のせいなんです。

本当に、本当にすいませんでした!」


「…それは、どういうことだい?」

マリンの父が低い声でそういった


「はい。それは今日…」


俺は両親に全部話した。


俺が浮気まがいをしていたこと


事故がおきた理由


全部話した。


「でも、俺まだ、まだマリンのこと好きなんです。愛してるんです!


だから、これからはマリンの事きづつけません。


大切にします。ですから、どうかもう一度俺にマリンのこと預けてくれませんか?


おねがいしますッ!」



「…あのね、蓬君?マリンはね、すごくきづつきやすい子なの」

マリンのお母さんは予想外にも穏やかな声でいった。


「だから本当はあなたにマリンを託したくない。

でもね、マリンこういってたのよ?

“もっと好きになってもらえるために頑張る”って

これってあなたの事まだすきって事よね?

だから、あなたがこれから大切にしてくれるって…

いってくれたから、任せる事にするわ。」


そういったお母さんは、涙を流しながらも笑っていた。


その笑顔がなんとなくマリンに似ていて、


少しどきっとなった。


そういえば俺マリンの笑顔ほとんど見た事ない。

マリンが目覚めたらいっぱい笑わせてやる。


そう意気込んだ俺だった。


side MARIN


頭痛い、、


どうしたんだろ

薬品のにおいがする


ここは?病院?


「マリン!マリンよかったぁぁあ」


この声は?千沙?


「ち、さ」


声がかすれる


私なんで病院にいるんだろ?


なんかあったっけ

「マリン、先生呼んでくるからちょっと待ってて」

「ん。」


そういった千沙は先生を呼びに言った。


それにしても、体中が痛い。


なんで?


何もしてないはずなのに。


なんでこんなに痛いんだろ?


寝てる間にベッドから落ちたとか?

そんなドジだったっけ


そんなことを考えていると、


千沙が先生を連れて、戻ってきた。


それと一緒に


お母さんとお父さん。


それから…







男の子が一人、入ってきた。


「具合はどうですか?」


先生が聞いてきた。


「頭痛いです。あと体中あっちこっち痛いです」


「まぁ交通事故にあったんですから、

そんぐらいの怪我で本当良かったですね。」


「え?私、交通事故にあったんですか?

だからこんなに痛いんだ、納得だぁ」


「…」

「「「え?」」」


私がそういったら

先生は眉間に皺を寄せ、

お母さんとお父さん、

そして千春と男の子が疑問の声を漏らした。


みんなどうしたんだろ?


「マリン、覚えてないの?」

お母さんが聞いてきた。

「なにが?」

「交通事故にあった事」

「んーなんか覚えてなかった。何でだろ」


「私のこと、覚えてる?」

「当たり前じゃん♪

お母さんでしょ。」


「私のことは?」


「千春でしょー」


「俺の事は?」

「お父さん」

なんだろみんなして、、


そんな大げさなことじゃないのに。


「俺の、、事は?」


男の子が話してきた。


ん?初対面だよね?

「ん?どこかで会いましたっけ?

あっもしかして千沙の彼氏さんですか?

すいません。1回しかあった事ない人とか

私すぐ忘れちゃうんです。名前なんていうんですか?」


「…マリンさん。精密検査を受けましょう。」

「え?なんのですか?」

「脳のです。マリンさんは一部記憶が抜けているようです」


え?私ちゃんと普通に覚えてるんだけど、、


やる必要なくない?

みんなの事覚えてるし、

物の名前だって覚えてる。

自分の家だって…


「1時間後に行いますのでそれまでゆっくりしててください。」


そういって先生は出て行った。

…そんなのやる必要ないのに。

「う、、、だろ」

男の子が何かつぶやいた

「ん?どうしたの」


「俺のこと、おぼえてないの?」


「うんゴメンね?

1回しかあった事ない人覚えらんないの。

あっ今度3人で遊びに行こうよ♪

あっ千沙の彼氏だから邪魔しちゃダメか。」


「俺、アイツの彼氏じゃねぇし」

「え?じゃあ弟君か何か?あれ?

でも千沙に弟なんて「俺はお前の彼氏だよ!!」


…え?

いや、冗談でしょ。

わたし今彼氏いないし。

「なんで、覚えてねぇんだよ」

「…え?冗談?その手には引っかかんないよぉ」

「冗談じゃねぇよ。ちゃんと、付き合ってただろ?」

「でも私覚えてないし」

「…」


いや、ホント覚えてない。


こんなイケメンと付き合った記憶なんてこれっぽっちもない。


もしかして、ほんとに私記憶喪失?


「ごめんね。ホント。なんでみんなの事覚えてるのに、、」


「いや、また来る」



「うん。ありがと。バイバイ」


「じゃあな」


出て行くときの男の子の顔はどこか泣きそうな顔だった



夜、私は病室のベッド中、ケータイをいじっていた。


精密検査の結果はやっぱり記憶喪失らしい。


それもあの男の子の記憶だけが


抜けてるらしい。


あの子の言ったとおりだったら


私たちカレカノで、あのこかれしで。


なんで彼氏の事だけ忘れるんだろ。。


と考えていたらちょうど、


春斗という見た事ない名前の


メールボックスをみつけた。


それを開いてみると、、





…何このメール。。


めっちゃ、、なんか冷めてるじゃん。


しかも私じゃなくてあっちが。


それから私はどんどんメールを見ていった。


ついでに千沙とのメールも見てみたら


あっち側が浮気まがいな事をしてたのもわかっった。


…これが原因であの人のこと忘れたのかな。


ってかこれってもう別れた方がいいよね?


なんか覚えてないけど私あの子にひどい子とされてたぽいし。


そもそも私今記憶ないからあのこのこと好きとかも思ってないし。


あっちも冷めてるんだし。。


うん。やっぱ別れたほうがいいよね。


記憶がないのにこういうのおかしいけど。


直で話すのは気まずいから今メールしちゃうか。。



to 春斗
subject 無題
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こんばんは。

あのね、
今ケータイ見てわかったんだけど春斗君?
確かに私たち付き合ってたっぽいけど
なんか春斗くん冷めてたよね;;

うん。それを私がつなぎとめてたみたいな感じで付き合ってたのかな?

ごめんね?なんか、記憶ないのに謝るのおかしいけど。

わかれたかったよね(汗

だからさ、今私記憶ないし、
好きっていう感情もないしさ、

これを機会にわかれない?

てか別れた方がいいよね

お互いもう思いあってないし

ね?

あっでも友達になってよ♪

別れたからって他人になるのやじゃん?

ね?わたし記憶ないから気まずいとか無いし^^

じゃあこれからよろしく(ω`×)

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送信っと♪


あとは返信まつだけ♪


2分後  


pppppp♪

え!?

はやっ

あっまぁ返事するだけだし早いか普通



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さめてねぇよ。

俺まだお前の子と好きだし。

お前が俺の事好きじゃなくても

記憶なくても、俺は別れたくない。

友達とか無理。

俺はお前の彼氏だから。

絶対…
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え?いや、普通に冷めてたでしょ

嘘つかなくてもいいのに…

記憶ないの自分のせいにされたくないから的な感じかな

うん。たぶんそうだな。

あっまぁとにかく返信


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記憶ないの春斗君のせいじゃないからきにしないで;;

じゃあ学校で

by-byЖ
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よし。返信もしたし、眠いからもう寝よ。

そうして私は意識を手放した。