「あのー?」 上目遣いでのぞきこまれる。 返事をしない俺を心配したんだろう。 「あー、ありがとな。」 俺がハンカチを受けとってお礼を言うと、彼女は微笑んだ。 「あ、じゃあ私はこれで」 俺はその腕をつかむ。 細い。 こんな可愛い子、簡単に帰らせるわけがない。 この俺が。