「‥っ!」
ピンチだ。
絶対絶命。
さっき少しでもドキドキなんてした自分が恥ずかしい。
こんなやつに。

考えろ。なにか逃げだす方法は‥

しょうがない、最後の手段だ。

私は少し声を震わせて言う。
「‥怖いの‥お願い‥」
そして涙をためて、思いきり上目遣いで五十嵐を見上げる。