「はい‥」

「えー、すげー可愛いじゃんっ!」
うわ‥、悠希が言ってたのはこれか‥。
どうしよう。逃げようにも逃げられない。

「ねー、メアド教えてよー?」
ベタベタした声。耳にはりつく。

「すいませんっ!私忙しいんで‥」
「だめー。ちょっとくらいいいじゃんっ」

私が行こうとする道を2人でふさぐ。
「あのっ、ほんとに‥」

もうっ最悪。
人通りの少ない方なんか選ぶんじゃなかった。
ここは旧校舎で、今は使われていない。文化祭でも、展示とかしかないところなので、全然人がいない。