塾は以外と近所にあった


「そういえばここ
何人か行ってるって言ってたなぁ」

ドアの前で一人そう呟いて

ドアノブに手を掛けた…

が、私が引く前に開いた扉

バシッ

お陰で私の顔にヒットする

「痛ったぁ!!」

「おぉ誰かいた!」

涙で歪む視界に写るのは
大学生ぐらいの男の人

「いや誰かいた! じゃないし!」

「ごめんごめん……誰?」

「誰って、えーとなんだっけ」

「体験の子?」

「多分それです」

「へー君かあ
ちょっと待ってて塾長呼んでくるから」

「あ…ありがとうございます」

いい人なのかな?

顔も悪くはないし

すると
受付のカウンターの奥の扉が開く

黒髪美人で
スーツがよく似合う女の人が出てきた

「立花さんだよね」

「……あっはい」

思わずみとれてしまった

「体験だねじゃあ行こっか?」

「はい」

私は言われるがまま
美人の塾長に付いていった