「ひなたの気持ちは嬉しいよ。

でも、俺に近づきすぎちゃダメ。

ひなたを壊しちゃうから」


「……そんな……」



あの女の幽霊と同じことを言うちぃ。


『彼の闇』って、病気のことだったんだ……。



「……ひなたは、優しいから……

俺に共感しちゃうでしょ?」


「優しくなんかないよ……」



優しいのは、ちぃだよ。



「ちぃが迷惑だって言ったって、あたしはちぃのそばにいるからね。

ストーカーで訴えられるまで、つきまとうから」


「ひなた……」


「だから、もっと頼ってよ。

大丈夫だよ。あたしの神経はワイヤーロープでできてるの。

引きずられたりしない。

壊れたりなんか、しないから」




ちぃの目を、まっすぐ見上げてそう言った。


その気持ちに、嘘はなかった。




──あたしは、あなたのそばにいたい。