そして、入り口の扉を開けると、近くの自動販売機に寄り掛かっている龍を見つけた。


『龍?』


あたしが走って駆け寄ると龍は笑顔で迎えてくれた。


「お~、気持ちよかったか?」

『うんっ。景色がね、すっごい綺麗だったんだ』

「せやなぁ。コッチもめっちゃ綺麗やったわ」


龍はあたしの手をとって、歩き出す。


『それより、どうして龍待ってたの?あたし遅かったでしょ?』

「よくよく考えたら、唯を1人で部屋戻すんのも心配やからな、やったら俺が早よぉ風呂から上がって唯待っとけばええやんって思たねん」


龍はそう言ってニカッと笑った。