「それにさ、龍君だってきっと唯ちゃんと同じ気持ちだと思うんだ」

『…龍、も…?』

「うん。龍君も淋しいはずだよ。イギリスだし、連絡も取れないでしょ?淋しいに決まってるよ」


あたしは梨華さんの話を聞いて落ち着いてきた。


龍も淋しいのかな…?

あたしと同じ気持ちでいてくれてるの…?


「ほらっ、元気出して。落ち込んでいるよりも、今会える時に楽しもうって考えた方がいいと思うな」

『そうだね。あたし馬鹿だねι』


あたしはそう言って涙を拭った。


「不安になるのひしょうがないよ。あたしだって、聖夜と付き合ってる最初のうちは不安と嫉妬でいっぱいだったんだから」

『そうなの?』


初めて聞く話にあたしは驚いた。


「そうよ。お客さんからの嫌がらせもあったし…。―…だけどね、聖夜を信じようって思ったの。お客さんに、「遊び」だとか「本気なはずない」って言われたりもしたけど、聖夜の言葉を信じようって言い聞かせてたんだ」

『そうだったんだ…』


今は、すごく幸せそうな梨華さんだけど、聖夜と付き合い始めの頃はいろんなことがあったんだね。
そんなことがあったなんて初めて知った。

あたしは自分だけが辛いわけじゃないってわかって気分が軽くなった。


恋で悩んだりするのはみんな同じなんだね。