「よかった。
唯が元気そうで。」


さっさとリビングに入っていった彰に呆れている拓魅が靴を脱ぎながら言った。


『…ごめんね…メールとか返せなくて…』


あたしは拓魅の顔を見れなかった。


「いいよ。
亜紀から話聞いたから。
辛かったな…。」


拓魅はそう言ってあたしの頭を優しく撫でた。
あたしは拓魅の言葉に驚いて顔を上げた。


『亜紀から…?』

「ああ。昨日の夜、メール来た後電話かかってきてさ。
唯、また話すの辛いだろうからって。」

『そっか…』



亜紀はいつもあたしのこと心配してくれてるんだね……。


あたしもまたあのことを拓魅たちに話すのは正直辛いなって思っていたから、亜紀の心遣いがすごく嬉しかった。





「だけどさ、これからは音信不通になったりすんなよなっ。

辛い時とかは俺たちに頼れよ。

みんな、唯の味方だからさ。」



『うん…ありがとう……っ。』

「よしっ━。行くか。」



拓魅はそう言ってあたしの手を引いてリビングに向かった。