和斗side


俺はずっと、慧汰と美亜が楽しそうに話している
姿を見ていたら無性に腹が立った


俺の美亜なのに…
俺だけを見ていれば良いのに…


そんな事を考えると余計腹が立ち

美亜がせっかく心配してくれたのに
俺は八つ当たりをしてしまった

なんだよ…俺ってこんなに…器が小さかったっけ?

クソッッ!美亜の事になると、余裕がなくなる…

だけど、そんな事もあったのに何食わぬ顔で笑っていた美亜に少し…腹が立った…


ーーー


カラオケが始まり

俺は慧汰と歌う曲を決めていた。

「やっぱ俺はA○Bだな~」
「慧汰って、アイドルオタクだったっけ?」


そして、歌いだして約30分
俺と慧汰が気分よく歌を歌っていた時


ーバタンッッ


誰かが、部屋を出ていった

誰かトイレに行ったのか?

「ちょっと!吉川!アンタ何なの?さっきの態度は?!」

急に怒りだした田井中。

「あ?さっきって?」
「アンタが美亜に冷たくした時よ!」

忘れてんじゃないわよ!と俺に詰め寄る田井中。

「アンタがあんな態度とったから、美亜、何か思い詰めてたわよ?もしかしたら、私達…別れちゃうんじゃないか?って考えてたかもよ」

そう、話終えると満足したのか、自分の席に戻っていった

それを、慧汰はオロオロとしているだけだった

『別れ』

一番、恐れてた言葉





「追いかけた方が良いんじゃないの?もう、遅いかもだけど…」

「なぁ…」

「ん?」

「美亜…どこに行った?」

「トイレよ?」

それを聞くと俺は勢いよく、部屋を飛び出した




「まったく、世話がかかる…」

田井中がそんな事を言ってた何て、俺は知るはずがない。