「そう言われても…私…」



十和子は悩ましげに細い眉を顰めた。



俺を選んでくれても…


俺自身…組織から抜け出せそうにない。きっと…永遠に溝鼠のような生活だ。



兄貴を選んでも…叔父夫妻は信用できないし。



十和子には命の危険が付き纏いそうで怖い。



一層、十和子は第三者の男と恋に落ちて…幸せになってくれた方がいい。