「わらわたちは、1000年生きた。

    そして、この戦争だけに身を投じた。」




「イル…」




1000年。


そんな気の遠くなるような時間を一緒に過ごした二人に芽生えたのは友情以上のものでした。



「もう終わりにしようではないか…パドマ」




「いやよ、イル…元は、貴方は巻き込まれることのなかった戦争だったのです!


   だから、貴方が死ぬこと…ッ!!」




「遅かれ早かれ、あの王は魔界を狙ってきていたよ。だから気にするな」



イルテミナはそっとパドマの頬へ手を持っていく。


その仕草は我が子を愛でるようでもあった。



パドマは、その手をぎゅっと握り、言います。



「来なさい。天竜。」



「パドマ…!?」