「ただいま~」

家の戸をあけ、覇気のない声で言う。すると奥の間から1人の女性が走ってくるのが見えた

「お嬢様、お帰りなさい!さ、早く支度をしてください!」

「何をそんなに慌てているんだ朝比奈。今日はほとんど何もないはずだろう?」

走ってきたのは朝比奈(あさひな)。いつも着物を着ている私の友達兼世話役の女性。かなりきれいな人だ。この人も妖怪だったりする

「学校へ行く前にお伝えしたはずですよ。今日、アレがあると」

「ま~たあるのかよ、戦。」

「今回はわざわざ四国からいらしたみたいですよ?」

「毎度毎度ご足労なこった…ん?」