今、私は無駄に豪華な理事長室の扉の前にセシルと一緒に立っていた。
セシルといのは、さっきのマシンガントークの人だ。教師として新任だったために、なにに対しても無駄に緊張してしまいマシンガントークになってしまうらしい。因みにフルネームは、セシル・レグナムという。
「失礼します。
リリアさんを連れてきました。」
「はぁ………、セシル、お前緊張し過ぎだろ……………。まぁいい、入ってこい。」
「失礼します。」
「失礼し……………あぁ!!チャイムの人!!」
「よっ!」
私達が入ると其処にはチャイムの人(リリア命名)がいた。
私がテンパっていると、
「取り敢えず言いたいことも沢山あるだろうが、まずは聞いてほしい。その上で質問したいことがあるならば、此方が答えることが出来る範囲のみ答えよう。」
「それはつまり答えることが出来ない場合もある、ということで?」
「そう言うことだ。」
「分かったよ。
聞くだけ聞くわ。」
「そうか…。
じゃあ、単刀直入に言うよ。君は、“世界の鍵”だ。」
「はぁっ?」
かなり意味が分からない。
「意味が分からないかも知れないが、まずは聞いてくれ。」
後で絶対に訊いてやると心に決め、コクリと頷いた。
「まず、世界の鍵は二人、“創造の鍵”と“破壊の鍵”がいる。みる限りだと破壊の鍵が一番強いと思うかもしれないが、創造の鍵は破壊の鍵の“全てを破壊する”をも打ち消す“delete――削除――”を持っているから創造の鍵が一番強い。」
じゃあ破壊の鍵いらないと思うのだけれど………。
「破壊の鍵いらなくないか?と思うかもしれない。しかし、何でも創られすぎはいけないんだよ。其処でバランスを保つために、破壊の鍵が必要なんだ。でも、破壊してはいけないものを破壊してしまったらそれはそれでバランスを崩してしまう。其処で、deleteで‘してしまった’という事実を消して、‘していない’にするんだ。」
「確認だけど、私はどっちなの?」
「あぁ、言ってなかったな。君は創造の鍵の方だ。」
「理由は?」
「理由は君があちらにいた事が理由だ。」
「あちら?」
「この世界ではない世界。それがあちらの世界だ。正直、世界の名前なんて知らないからな。」
まぁ確かにね。