その後、あのすれ違った人が少し気になったけれど、授業を受けていたらすっかり忘れてしまった。


時間はあっという間に過ぎ、いつの間にか放課後になっていた。


帰る支度をしていると、

「おーい!リィー♪」

と、友達の佐倉 凛(私は凛って呼んでる)が呼んでいた。

「どうしたの?凛」

凛とは家の方向が一緒だから帰りはいつも一緒に帰っている。


だから呼ぶってことはなんかあったんだなぁーと思っていると、案の定、

「実はねー今日下駄箱にラブレターが三通入っててねー、全部今日の放課後に別の場所に呼び出されてるのー」

凛ははっきり言ってかなりの美人だ。だから毎日10人以上に告白されている。


今日も私はお昼休みの時とかに告白されている凛を数えるのがうざくなるほどに見ていた。
(実はリリアもかなりの美人さんなのだが本人は全く気づいていない。
というか親衛隊が告白をすべて阻止している。
勿論本人はそのことに関しても全く気づいていない。)


「また!?(笑)でも今日は少な目だし一緒に帰れるね♪」


「うん♪でもリリア今日買い物行く日じゃなかったけ?」

「あっ!そうだった!!」
そう思って時計をみると、タイムセールの時間まで後30分だった。

「やばい!!タイムセールまで後30分だっ!!ごめん凛!じゃあ私帰るね!!本当に気を付けてね!!じゃっっ!!」

そう言って私はカバンを持って走った。


後ろから凛の「がんばってねー」という声が聞こえてきた。




そして、私が凛と一緒に帰れば良かったと思うのは、学校を出てすぐのことだった。