―――――――――――
「あ、言い忘れてたんですけど、Sクラスは貴族が多いので気を付けて下さい。もし何かされたなら気にせず仕返ししちゃってくださいね。」
「先生も大変なクラス持っちゃったねぇ。」
流石に学校で教師を呼び捨てはどうかと思ったので、今は先生と呼ぶことにしていた。
「そうですけど。貴族の報復にあわない教師なんて私しかいないからね。」
「そういえばそうですよねー。」
何故報復にあわないかと言うと、彼が国王ですら命令する事が出来ない位置にいる、大魔導師の一柱だからだ。
しかし貴族達はセシルが大魔導師だということは知らない。大魔導師の存在はかなり極秘なのだ。だからセシルの後ろには大魔導師の存在がいると仄めかし、貴族達に手が出せないようにしているのだ。
「よし。じゃあ私が呼んだら入って来て下さい。」
そう言ってセシルは中に入っていった。