「そしたら従兄弟無理じゃないか?」


「えー……。」


「んーじゃあ誰かに訊かれたら母方の方の先祖帰りとでも言っておけばいい。それでごまかせる。でも九尾狐の先祖帰りとかかなり目立つぞ。」


「え、何で?」


「華紅夜さん、実は九尾狐の獣人はもうずっと昔に滅んでしまったんですよ。」

「あぁ、だからか。」


「まぁ、別にいいんじゃないか?」


「気にしなければいいよねっ!!」


「じゃあ今度こそ行こう!」


「はい。じゃあ理事長案内してきますね。」


「失礼しましたー!」


パタンッ


「………………お前達の子供は必ず俺が守るからな――――――*****。」


そう言った理事長のつぶやきは、誰にも聞かれずに暗闇へと消えていった――――――。