今だから分かる。

私はヒドいことをしてたな。


優しい言葉で冷たく突き放していた。
いつも。

優しく冷たい、私のモットー。


それでも、咲良は私に笑顔を向けてく………




やめよう。
往生際が悪い。

ふうっと溜息をついて、矢をはなった。



「藤原、しっかりしなさい。」





その矢は、的を大きくはずれて道場に音を立てて落ちた。