「実行委員は、仲良しのお2人にやってもらいましょうか」


そう言って、おばさんは黒板の“文化祭実行委員”という文字の下に「平岡」「大谷」と書き加えた。



「「はぁ!?」」


あたしと大谷の声が重なる。


「ちょっと待ってよ!あたし絶対イヤです!!」

「俺も!!」


あたしは立ち上がって、おばさんに猛抗議した。
もちろん、大谷も。


「決定しました。おしゃべりに夢中だったあなたたちが悪いんです」

「それは大谷が・・」



_ キーン コーン _




“それは大谷が悪いんです”

そう言い切る前に、あたしの言葉は授業の終わりを告げるチャイムによってさえぎられた。



「・・もう、最悪」




“最悪”


この言葉、今日これで何回目だろう?
・・・まだ1時間目が終わったばかりなのに。









「あぁ~・・・もう!ホンット最悪!!!」


あたしにしては珍しく大きな声で叫んでみた。
けれど、その声もすぐに休み時間のザワつきにかき消される。




募るイラつきを抑えるように、あたしは机に顔を伏せた。