「平岡もデカいよな」

「“デカい”って言うな」


今のところ、あたしの身長は2年の2学期から変わっていない。
それでも168センチだ。
女子にしては、十分“デカい”だろう。


「気にしてんの?」


白崎が、目線だけをこっちに向けた。


「あたりまえじゃん」

「なんで?カッコイイじゃん、モデルみたいで」

「嫌だよ。だってさぁ・・もし彼氏が出来たときに、あたしと身長変わらなかったらデートでヒールとか履けないじゃん!?」


少し早口になる。
思わず本音を言ってしまった・・・


ヤバイ。

あたし、変なこと言っちゃったかも・・!?



白崎のほうを見ると、少しビックリした表情であたしを見ていた。





「ハハッ」


少し間をおいて、白崎が笑った。


「平岡ってこんなキャラだっけ??」

「いや、別に・・あの」


あたしが目をそらすと、白崎は「もっとクールな奴だと思ってた」と言ってまた笑った。