「裕香、あのね ―・・!?」


思い切って、裕香のほうを見ると、大きな目にいっぱいの涙をためて、あたしを見てた。




どうしよう・・


言えないよ・・



好きだなんて、そんなこと・・




「ねぇ、麻耶・・」

「好きじゃ、ないよ」

「・・ぇ?」

「好きじゃないよ!本当に!!」


震える声を、一生懸命おさえた。


「本当・・?」

「本当。だって、大谷だよ!?ありえないってー」


明るく、振舞ってるつもり・・


「麻耶・・」

「本気、なんでしょ?」

「・・うん」

「応援するから!」


あたし、ちゃんと笑えてる・・?


「・・・ありがとう!!」


裕香はあたしに抱きついた。





“・・うん”

そう答えた裕香の瞳は、真剣だった。



本当に、大谷のことが好きなんだ・・・・




そんな裕香を前で、大谷が好きなんてそんなこと言えない。