「じゃぁ、昨日のくじの結果を貼り出すので各自移動してください。そのあとは文化祭の実行委員を決めます」


そう言って、おばさんは教室を出て行った。





「麻耶、離れちゃったね~」


黒板に張られた紙を見て、彩が言った。


「ホントだ。超遠いじゃん!」


彩の席は廊下側の前から2番目、あたしは窓際一番後ろ。


「彩!席近いよ!」


裕香が彩に抱きつきながら言った。
席は彩の後ろ。


「えぇ~・・あたしだけ遠いじゃん」

「ほら、言ったでしょ。麻耶もふたご座だよぉ~」


裕香が得意げに言う。


「隣の男子は?また変な奴かもよ?」


あたしも負けじと言い返した。


「知らなぁ~い。男子のほう見てないもん!」


それだけ言って、裕香は自分の席に戻った。

みんなが、それぞれ席を移動しはじめる。


「あたしたちも移動しよっか」

「そーだね」



あたしと彩も、机を持って移動を始めた。


窓際、一番後ろ・・・・
ココだな。


「・・んしょ、っと」


新しい席に着き、窓の外を眺めようと頬杖をついたときだった。



「・・げッ、最悪」


背後から聞こえた、低い声・・・。