「―・・ハァ」
放課後の体育館、あたしはステージに座ってため息をついた。
「今日、実行委員は?」
そんなあたしに、声をかけてきたのは彩。
「ないよ、今日は」
あたしはシューズの紐を結びなおしながら答えた。
「・・・喧嘩でもした?大谷と」
そう言って、彩はあたしの隣に腰を下ろした。
「別に。いつものことだし」
そう、いつものこと・・
そのはずなのに、今日はなぜか気まずくなってあれから大谷とは口をきいていない・
「何なに?なんの話??」
着替えを済ませた裕香が、かけよってきた。
「なんでもないよ。始めよ」
そう言って、あたしはステージから飛び降りる。
「えぇ~、絶対ウソだぁ!」
裕香は“あたしだけ仲間はずれ”と言って気に入らない様子だ。
「―・・おい」
その声に反応して、あたしたちは振り返った。
大谷が、体育館の壁にもたれてこっちを見ている。