『生徒会長』と書かれた立札の机にある大量の書類に目を通し眼鏡越しにあたしを見る、会いたかった人物。
「‥‥かな‥‥た」
「‥‥マナ」
目を見開いて、あたしを見るカナタ。
部屋の中にはケイタもレオもいなかった。
「お前、どうしてここに」
「‥‥来ちゃいけなかった?」
そう言うとカナタはフッと笑って、眼鏡をはずした。
その行動が、少し嬉しかったりした。
眼鏡越しじゃなくて、ちゃんとあたしを見てほしかったから。
あたしのもとまで、歩いてきたカナタはあたしの頬に触れた。
あたしの顔をすっぽり収めてしまう大きくて、温かいカナタの手。