なんだか、変な空気がまとわりついたようで気持ちが悪くなる。


「そんなんじゃない!」


「おぉ、こっわ。まぁ、あの人の前になったらあんたも、そんなに威勢良くいられないよ」


最後の一言は、どこか自信に満ちていた。


「あの、人?」


そういえば、さっきもこの人たちの会話に何度か出てきてたな。


「そうだ、なんで、お前みたいなのが呼ばれたのかは俺にも分かんねぇけどな」


背中に悪寒が走った。


いきなり、あたしの頬を撫でられたんだと気づくまで少し時間を要した。


ビクッと、震えその次の行動をただ静かに待った。


「そんな怯えんなよ、あの人の指示がなきゃ俺もこの手をこうすることもできないんだからさ」


そう言いながら、冷たい手があたしの首元に降りてきた。