気まずい雰囲気だった。
教室に2人きりでも
気まずいのは変わりなかった。
「あのさ~」
重い沈黙を切り裂いたのは
一条君だった。
「うん」
「蘭と付き合ってんの?」
それは、一条君が一番気になっていたことみたい。
結乃はどう答えればいいのか
わからなかった。
蘭君には女役になれと言われ
今は女役…一応彼女?だし…
でも本当は彼女じゃないし
なんと言おうか迷っていたけど
「また、女役か…」
「はっ…?」
「あいつは女役作る名人だからな~」
なんだ、察していたなら
何も言わなくたっていいじゃん。
「そうだね、女役だよ」
素っ気なくいい放つ。