7月中旬、梅雨明けが発表された。
サッカー部と野球部に所属するクラスメイトの男子は、久々の屋外練習に興奮しながら、飛び出して行った。
校内ランニングなんて、物足りなかったんだろう。
部活動が熱心で、大きな大会で実績を残す秋吉ーアキヨシー高校。
私の彼氏、鹿波由斗が、エース、ピッチャーとして活躍する野球部も例外ではない。
春夏共に、甲子園は最多出場。
ちなみに兄貴も、ここの卒業生で、甲子園に出場していた。
今は教育実習で、野球部の顧問として楽しんでる。
自分が好きで選んだ筈の英語の授業より。
ちなみに7才上の姉も教師で、今は中学校で音楽科を担当。
二つ下の弟は、歳上の彼女の家に入り浸り、学校でも顔を会わさない為、何をしてるのか謎。
バスケ部では、“期待のルーキー”と騒がれるほど、頑張ってる…らしい。
「花音、行くわよ」
「あいよぉ」
親友の、知花加菜恵ーチバナカナエーに呼ばれ、私たちもグランドへ行く事に。
加菜恵の彼氏が、野球部の主将、倉元漣ークラモトレンー。
2人が付き合い始めた1年前、私も部活が終わるのを待たされてて、由斗と倉元が仲良く、一緒に帰るように。
そして、コクられて――…。
野球のルールなんて知らないけど、他の話をしてる時は楽しい。
飛び交う球を目で追いながら、ドラマの話で盛り上がる。
「うるせぇぞ、そこ――ッ!!」
すると、野球部の顧問で元担任の仁村ーニムラーに怒鳴られてしまった。
「もうすぐ、こいつらは予選なんだ。邪魔すんなら帰れ!」
「何、キレてんだか」
「ねぇ…」
熱血漢の仁村に、私たちは時々、ついて行けない。
シカトしつつも、口を閉ざすと、投球練習をしてた由斗を、兄貴が呼んだ。
バッテリーを組んでる倉元も準備をし、兄貴がバッターフォームへ。
「よーく見てろよ!」
甲子園で決めた一発のホームランが自慢の兄貴。
…無理でしょ。
私は期待をせず、行方を見守る。
ーーカキーンッ
案の定、ホームランとはならず、ライトフライに終わった。
しかし、1年部員は由斗の球がバットに当たった事に感激してる様子。
「兄貴が頭に乗る事、言っちゃって…」
「けど凄いわよ。室岡先生、軽く振ってたもの。本気なら、ホームランだったわ」
…あれが“軽く”?
妹の私より、兄貴についてわかるなんて。
あんたも十分、凄いよ。
「加菜恵。ちょっと、待ってて」
「え?どこ行くのよっ!」
体育館前で、携帯を弄ってる弟の新太ーアラターを発見。
久々に顔を見ておこうと、思ったんだ。
駆け足で近寄り、後ろから後頭部に鞄を叩き付けた。
「――った!!;;」
「あっ君、元気?」
「“あっ君”て呼ぶなよ、ノンたん」
「痛くも痒くもないわぁ」
私の母親は昔、みんなをあだ名で呼んで居た。