沢野は書類を見て何か書いていた。

「ノックをしてから入るのが常識だろう?」

こんな言葉も今は気にしていられない。

「・・で、用はなんだ。」

「あっ、あー・・えっと・・

もう、知ってると思いますが、私は花火です。前に言われた、事を実践しただけだったんです。」

私は話し続ける。

「最初はちょっと乗り気じゃなかった。でも、先輩とお話出来て楽しかったです。この姿も悪くないなって思いました。」

花火の姿じゃきっと見れなかった。

『花』の姿だから見えた別の姿の沢野。


「話はそれだけか?」

沢野はまだ、下を向いたまま何かを書いている。

「いいえ」

私はみつあみを外す。