「えええ!まさか、先輩が!」


「美菜のヤツ・・」

「何か言いました?」

「いや・・何でもない。ほら、これ書いた人のニックネーム。アンっていうのは杏樹のアン。」

言われてみると、アンって書いてある。

「変でしょ?男が恋愛小説書くなんて。お父さんが小説家で、その影響なんだけど。」

「変じゃないと思います。それに素敵じゃないですか、小説家なんて。」

松本先輩はふわっと優しく笑った。


「ありがと。でもこのことはヒミツだよ?わかった?」

「分かりました。ヒミツ・・ですね。」