今日は雨も上がり、久しぶりに天気が晴れだった。

いつものように部活に行くと、とある部活の訪問があった。


「日向さんいる?」

「おっ矢部じゃん、どうした?」

「撮影を依頼したいんだけど、いいかな?」


訪問してきたのは、演劇部の部長、矢部浩史先輩だった。


「いいよ。とりあえず、打ち合わせしたいから…どこでする?」

「じゃあ、僕らの部室はどう?」

「決定!じゃ、行ってくる。遅くなるようなら、先に終わってていいから」

「「了解でーす」」


笑顔で去っていく部長を見送り、私達は活動に戻った。

今日の活動は歌唱だ。

歌唱のジャンルは様々。
アニソンだったり、J-ポップだったりだ。


「曲は“ロミオとシンデレラ”“下克上”と“夢喰い白黒バク”」

『あ、私ロミオとシンデレラ歌いたい』

「花耶がそれなら私は下克上だな」

「陸斗、どっちやる?」

「僕、歌は苦手だから。琉人くん2つしてもらってもいいかな…?」

「おう、了解」


よ~し、歌うぞ!
なんて気合いを入れながら、私からスタジオに入った。


「花耶、準備は?」

『大丈夫です!』

「じゃ、流すぞ~」
―…


〈私の恋を悲劇のジュリエットにしないでここから連れ出して…そんな気分よ〉
~♪~~♪~


―スタジオ外―


「花耶の奴、流石だな」

「この放送部で歌なら、花耶の右に出る奴はいないからなぁ」

「って、言っても部長とどっこいどっこいじゃない?」

「確かに(笑)部長はallで凄いからな。アフレコ、朗読、歌…どれもかなりレベルが上だ」

「部長ですからね」

「「だよな~」」


―…


プツッ…と曲が終わる音がして、私はスタジオから出た。


「お疲れ花耶」

『次、風香ちゃんと琉人くんだよね』

「おう、行くぞ琉人~」

「はいはーい」


スタジオに入っていく二人。

下克上かぁ、リンちゃんとレンくんの曲だよね。

なかなか合うよなぁ
あの二人。

ほのぼのとした笑顔で私は歌い始めた二人を見詰めた。


部長の話、決まったのかなぁ