日曜が過ぎて、月曜日。
放送部の私たちは、映像の編集に追われていた。


『え…これ、どうするんだったっけ…。』

「大丈夫か、花耶?」

『ここの編集がわからなくて…』

「あ、これはな」


琉人くんと席を代わると、彼は物凄いスピードで編集し始めた。


「ほい、出来た」

『は…早っ』

「そうか?」


ハハッと笑う琉人くん。

いや、私にはキーボードの動きとマウスの動きが早すぎて、何やってるか分からなかったよ。


「北沢、ここの編集わからない」

「おう、ちょっと待ってろ」


あっちこっち行って大変だな北沢くん。

あ、部長も編集してる。見てみようかな。


『部長、何処やってますか?』

「っ!?か、花耶か」


なんで焦っているんだろう?
そっと画面を覗いて見ると…。


『あ、これって最後のシーンで部長が出たやつですよね』

「あ、あぁ…そうだよ」


…部長の顔が若干赤くなっているのは気のせいでしょうか?


『部長、このあと矢部先輩と何を話してたんですか?』

「っ!!///」

『ぶ、部長顔が真っ赤ですよ!?』

「な、なんでもないよっ!?」

『も、もしかして風邪ですかっ!?』

「おぉー、今時そんな勘違いをするやつがいたんだな。絶滅危惧種並みだよ」

『って、何感心してるんですか!』

「…で、何を隠してらっしゃるんですか?」


後ろからぬぅっと現れた風香ちゃんに、今度はひきつった笑顔を浮かべる部長。


「ま、待て…決して疚しいことではない!」

「じゃあ、言えますよね?日向部長?」


にっこりと、ホントににっこりと効果音が付きそうな笑顔を浮かべる風香ちゃんに、部長はとうとう諦めた。


「うー…じ、実はあの撮影のあと矢部に告白されて…で、まぁ…OKして、付き合うことになったんだ」


部長と矢部先輩が…。
でも、いいカップルになりそう。


「…。」

『あ…ふ、風香ちゃん…?』

「…部長、良かったですね、お似合いですよ」


ん…?え?
この子はホントに風香ちゃん…?

いつもなら「ちょっと殺りに行ってくる」とか言ってそうなのに。


「そ、そうか…?///」

「はい、ただ…」

「た、ただ…?」

「疚しそうなことがあれば、すぐに殺りに行きますから」


あ…やっぱり風香ちゃんだった(苦笑)


「え、あ…はい」


部長が敬語になった!
風香ちゃん恐るべし!!