その日の夜、お父さん会が開かれました。
一度家に帰り、それぞれのお父さんは最後の踏ん張りで、子供達を風呂に入れ、ご飯を食べさせ、疲れきっているので、直ぐに寝かせ、いざ一杯会へと足を運んでいきました。

8時頃から始まり、話のネタはいっぱいあり、酒は進み、話は盛り上がり、心も打ちとけて、皆本心で会話になりました。
気を使わずにゆっくりと楽しく、信頼出来る仲間がそこにはありました。
まさしく子供達が結んでくれた絆が、少しずつ少しずつ太くなり始めていく事を実感しました。

話のなかであるお父さんが、
《彼の入場行進頑張ってたね。来年は最後までいけるだろうね、あの彼が考えられないよ、本当にこの施設に入れて良かったよね。》

びっくりでした。私も他の子供に目がいってしまうんですが、まさしく私が見ていた事を同じ様に見てくれている、他のお父さんもみな同じ様に。
だから共感し合え、信頼感がうまれてくるんだと思いましたね。

一番成長が遅い彼ですが、皆私に
《ゆっくりとゆっくりと》
といってくれるので、私も焦る事なく、安心できていました。

そして時間は盛り上がりの中、気が付けば2時を過ぎていました。

後日聞いたんですが、どの家庭も修羅場が訪れ、大変だったようです。

例外なく私もギャンギャンの世界をじっと耐え忍んでいました。

また笑い話に変わり、次回次回の声が殺到しました。