今まで何か物に対して興味を持つということはありませんでした。
何だか最近雰囲気も変わってきたような気がしていた矢先、仕事から帰ると、居間で座り込んでいる彼がいました。
背中を私の方に向け、足元でごそごそと何かいじっているんです。
《おい、どうした?痒いいのか、パパがみてあげるよ》といいながら近づき、私はてっきり足をかいているもんだと思ったんです。

《えっ、読んでるの?見てるの?》

本を見てるんです。子供向けの写真がついているものを、上下がわからないんでしょうね、逆さまに見ているんですよ。
驚きのあまり大声で妻を呼びました。