新しい事への挑戦は大変です。時間がかかる上に《つい》という気持ちがでてしまうんです。
彼の頑張りと私達の意志の固さを持って始めて成功するんです。

しかし一番意志が弱かったのは、やはり私でした。自分に勝てないんですよ。
彼の為であるにも関わらず、抱っこは絶対しないようにと決めているにも手を出してしまう。
泣いたり叫んだりすると抱っこをすれば治まる事が頭にあるので、これではいけないと思いつつ、してしまう。
その点、妻も先生も意志が固い、やらないといったらやらない、彼の為、これからの私達の為という事で。

少しずつですが、彼の行動が変わり始めては、私が手を出してしまう為にまた戻ってしまったりと、かなり皆から怒られながら私も我慢しました。
やっぱり辛いんですよね、泣いていれば抱きしめてあげたいと思ってしまう。

実際私だって彼の為であり、一緒に歩んでいく中で、一番大切な事なんです。
自立やこの世の中に置いていく事を思えば、今が大事ですから。

周り皆がいたからこそやり遂げる事が出来、抱っこを要求しないようになりだしたんです。

自分の足で歩く時間や距離が伸びていきました。
妻も何回めげそうになったかわからないと話ていました。

施設でも体を使った遊びを沢山するようになったんですよ、と同時に驚く行動が現れたのもこの時期だと思います。