そうだ、島にも行ったんですよ、初体験の船に乗って、30分かけて海を渡ったんです。
やはりあまり長い距離は歩くのが困難の為ベビーカーを持ちながらの離島でした。
船上では、風を感じて目を瞑りながら気持ち良さそうにしているんです。
私も一緒になって風を感じていました。隣で同じく目を閉じ彼がどんな気持ち何だろうと。

肌にあたる生暖かい風が、船のエンジン音、カモメの鳴き声も聞こえましたね。それらが重なり、心地よさに変わる。

最高でした。

私は普段、目で見て第一印象から予測をしていました。
たぶん目からの情報が一番早くそして、心理的にこうだろうという予測をしている。
全体的なイメージで風景を満喫しているんですね。
だから既に重なりあっている風景しかわからないんです。

しかし目を閉じ、聞こえる音の重なりを感じた時は、エンジン音も水もカモメも皆癒されるんです。
そして目を開ければ彼の直ぐ横に飛んでいました。
彼と会話をしているかのように。
そして彼は、両手を広げ、やはり手のひらでも感じながら。
直ぐ私も手を広げてみました。
今度はどうでしょう、体全体的に風があたり、自分が空を飛んでるような、ふわっとしたような感じがしました。

彼が感じている事が言葉にならないので分かりませんが、私からみても、同じ顔をしていたように思えたので、たぶん同じ気分を味わえたんだと思います。

そうこうしているうちに島に到着しました。