彼にとっても私達両親にとっても、一番の悩みは、必ず私達両親が先に逝ってしまうのですから、この世においていって、彼が生きて行けるのだろうかという問題なんです。
生きていけるように、生活を教えこんだり、食べていき、住んでいけるように環境作りをすること、いつも笑顔でいられるように楽しい事とはどういう事かを伝え、人の愛情、温かみを伝えるかにあると思っています。
この場所で生まれ育ち、近所の人も彼の存在や病気など知ってくれて、何かあれば心配してくれる。
凄く温かい彼の居場所なんだと思いました。近所にも変化はありますが、ここでなら生きて行けるんだと、住む場所は大丈夫だと感じましたね。
一つの事が私の心の中で答えとして出来た事に、次への頑張りに繋がっているんでしょうね。

なかなか住んでいく場所すら決まらない方も多く、私達は幸いにして早く解決が着いた事に幸せだと思います。
そして春が過ぎ、暑い夏の季節が訪れました。

服も薄着になり、彼も外で遊ぶ事が楽しくなり、日に浴び、肌は日に日に黒く焼けて行きました。
施設でも、外で遊ぶ事が苦手だった彼が、外遊びが終わる時間になっても室内に入ろうとせず、先生も他の子供や授業の進行の為に、時には強引に入れていると話していました。
それに伴い、水分は以前から人並み以上飲むことは好きでしたが、食べる方が少ない感じがしていたんです。
固いものを歯で噛み砕いたりする事が苦手で噛むという動作がわかっていなく、丸飲みをすることも毎日のようにあったんです。
それがやはり身体を動かすのは、いい事なんですね、食が太くなりだしたんです。