なかなか障害者特に知的に障害を持っている人は、生活をしていくのが難しいと言われているといいますか、私達のような両親が負い目を感じてしまうんです。例えば夜中皆寝静まった頃に起き上がったと思えば、奇声を発して凄い声でドタバタとしたり、先ほどのように遊んでいても危ないとか公園にいっても他の子供達からの冷たい視線を浴びてしまうと、やはり引いてしまうんです。
子供達が悪いのではないし、その両親もどう教えたらいいのか、わからないんだと、障害を持った人が居なければ、環境すらわからないので、教えようがないこともわかっているからこそ、迷惑をかけないようにと、皆思ってしまうようなんです。
だからある程度大きくなると、家では見切れないという理由から完全寮制の施設に入れてしまう方が多い為に、施設も空きがなく、待っている人もたくさんいるんです。そして18才位まででしょうかその施設を卒業し、今度は成人用の施設に入り、半永久的に施設暮らしをしていく人が数多くいるんです。
私はやむを得ない、その両親が悪いとは思いません。
確かに介護は大変で子供達にとっても、それが一番いい選択肢の人もいるわけですから。ご両親の考え方によります。
私は一生、一緒にいきて生きたいと常日頃から妻にいっていました。あまり周りの事が気にならない性格なので、公園でも、家の前でも遊ばせ、はだしてかけずり回っています。買い物やレストランにも声を出そうが何しようが構わない、俺の息子なんだからと、連れていっていました。
しかし妻にとっては、ストレスになっていたんです。妻も例外ではなく、やはり迷惑をかけたくないという思いはありました。家で一生見ていきたいという思いは同じでしたが、周りからの目は、かなり重かったように感じますね。施設に預けている方達もたぶん皆、小さい時は私達と同じように考え、どうにもならなくなって預けるといった事だと感じますね。
夜の奇声で私も例外ではなく、近所迷惑になるからと、息子の口を押さえてしまったり、口を叩いたりしてしまった事もありましたから。
やはりこの時はまだ、私自身が彼の事を受け入れてはいなかったんでしょうね。
しかし今回の事で、彼が生きて行ける場所はここしか無いと確信しました。