まず始めに施設長とお会いしました。私達のもっていた社会的な思考は覆され、優しく、温かく迎えて貰ったように感じていました。今でも市全体の行事で顔を会わせれば、彼の様子を心配してくれるんですよ。

そして各先生方もとても優しく彼に声をかけてくれる。

私の方が〔言っていることはわからないんですよ〕と声をかけかえしてしまうと、〔いや、彼は聞いてますよ〕と返してくれたんです。なんか私達にとっても意味ある言葉でした。

そして顔をあげると、〔なんて事だ、こんなにも沢山の障害を持った子供がいるのか。〕二つ部屋がありましたが、それほど狭いとは感じないんですが、溢れんばかりの子供が遊んでいるんです。こんな小さな市のなかでという思いが、どうなってるんだという疑問が沸き起こってきました。

私が見てもいろいろな障害の子供がいましたね。

後になってわかったんですが、染色体異常だとか原因すらわからない症状の子供、そして短命だと既に宣告されている子供といった感じで、基本的に知的な障害の通う施設ですので、みな話しても帰って来ない様子でした。
私達は障害児ははなから少ないだろうと思いこんでいたんです。