背中を押されながら、国立病院へ向け出発しました。
どれぐらいでしたか、4、5時間は走ったかと思うんですが、久しぶりのドライブに彼も喜び、私達も喜びといった車内でした。

病院に着き手続きを済ませ、診察室の前で待っていたんです。

その時彼が発作を起こして長椅子で横にさせていたんです。
担当医が前を通ったんですが、声をかけようとも、手を差し伸べようともせずに診察室に入っていったんです。
〔おい、今素通りだったぞ、発作を起こしているのはわかってるよな、何なんだここは。〕

〔そうよね、なんか嫌な感じがするね〕

診察室から〔次の方〕との声がかかり、診察室に入りました。
この国立病院の副院長だと紹介があり、唖然としました。
そして問診が始まり、更に不信感が出たのです。
〔発作の状態はどんな感じですか?〕
まさかの言葉でした。心底がっかりでした、目の前で起きていることは見ずに平然と言える事が私達には理解が出来ず、やはり物として見られているように感じました。