医師に対し嫌な思いをさせてしまうかなとか戻ってこれるかなとか思ってしまうんですよ。
だから一つの病院、一人の医師の判断に委ねてしまい、後に良かった、悪かったと判断してしまう。
私達は今の医師にぶつけてみようと思いました。
〔国立の病院はご存知ですか?私達は彼を診て貰いに行きたいと思っているんですが、紹介状書いて戴けますか。〕

そして医師から

〔わかりました。書きますよ、ただ彼を連れて行く際はダイアップを入れて、横に出来る状態でお願いします。途中で発作の重責が起きてしまったら、直ぐに近くの病院にいって下さい。その後連絡を下さい。これは約束です。そして私が国立に連絡をして予約を取ってあげますよ、そうすれば向こうで待たずに済むでしょう。〕

びっくりな言葉が返ってきたんです。
私達は医師のプライドをけがしやしないかと思っていたので驚きでしたね。

そして当日も出発に立ち合い、看護師さん達も皆総出できてくれたんです。
嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。

〔もし帰ってきたら、また宜しくお願いします。〕

と声をかけると、

〔病室そのままにしておくから〕

泣きました。止まらないんですよ涙が、優しさという心に触れ、包まれたから。