彼の発症した時期が歩ける様になっているかいないか、一歳を迎えているかいないかで大きな違いがあると言うんです。特に歩いてからだと今後歩ける様になる可能性が大きいんですが、歩く前であると一生歩く事が出来ない可能性が大きくなってしまうようなんです。私は愕然として、妻は横で涙ぐんでいました。これがまさにお先真っ暗でどう妻に声をかけたらいいのか分からず静かな時間が数分流れていきました。
席を立ち、病室へ向かう私達はどんな顔で彼を見て感じ接すればいいのかその時は答えがありませんでした。 彼も小さいなりにわかって居たんでしょうね、私も父親として彼とどう向き合うか、妻の旦那としてどう元気付けていけばいいか分からず、男としてまでも自信を無くしていました。情けないの一言に目の前に現れた現実を見れず、私はその現実を受け止めることが出来なかった。だから〔なんでうちの子が〕という言葉に逃げてしまい、答えを探そうとしないんです。
そして面会時間が終わりを迎えたんですが、妻は彼の手を離そうとせず、帰れない、病院の看護師に一緒に泊まっていったらいけないかを相談したが、病院の規則で泊まれない事になっていてダメだったです。妻は彼を病気にしてしてしまったのは自分だと思っていたんです。妊娠中に産む事への不安や無理して引っ越し等の力仕事や親戚からのストレスを感じて来ていました。その事で妻は彼が病気になってしまったと思っていたんです。それをいうなら私がもっと妻の壁になり、守らなければならなかったんです。元気付けて不安感を感じさせずにいられたと自分の中で〔だろう〕と思い込み自己認識の中で答えを出してしまっていたんですよ、自分中心に動いてしまっていて、周りの状況や妻の気持ちを感じとる事が出来なかったんです。
言葉で気付いていてもダメ人間ですね私は。