息子は私を待っていたかのように話声が聞こえたんでしょうか、私が来たことを確認し出てこようと思ったんでしょうね。
陣痛室で様子を見て助産婦さんからは白い白衣にネット等を渡され、立ち会い出産に備えました。まず妻が分娩室へ入り独り陣痛室にいましたが、耐えられないほどの緊張に胃も痛くなり手も足も落ち付かず会える楽しさより人間の誕生に立ち合える感動が。
そして呼ばれ分娩室へ入りテレビで見る光景が更に緊張を増す。
〔お父さんは頭の方へ廻って〕との声に動き苦しんでいる顔の側で励ましながら声をかける。数分後慌ただしくなり黒いものが見えた。それからは耳元で実況でしたね、〔今出始めたぞ、頑張れ、頑張れ〕と。
感想としては〔なんだ思ったより大きくないな、子供って産まれてくるときは小さいな〕と考えながらずっと見ているとどんどん黒いものが大きく出てきて〔まじかよ、でかい、うそ、まだか〕と最初見たのは頭の先っぼみたいだったらしく、人の中から出てくる大きさでは無いことにビックリしていました。よく男は出産の痛みに耐えられないといいますが、見ているだけで耐えられない。
ゆっくりと命の誕生が目の前で繰り広がっていく、〔もう少し、今よ息んで〕の声に私も握っていた手も強くなり、分娩室にいる人が一つになった瞬間、息子は産まれた。
私は腰から砕け落ち、涙が止まらなかった。〔ありがとう、ありがとう〕妻に助産婦さんに息子に。
感動の中、声をあげる前に吐血をしたとの声が響き、助産婦さんが処置をしていました。破水の関係で大丈夫だよとの声で安心した時息子の元気な声が力強く響きまた胸を打ちました。小さな身体で全身で存在感を出していました。洗い終わりおくるみにくるまった息子を助産婦さんが抱いて私に〔パパよ〕と渡すんですよ。